銅(カッパー)は加工しやすい一方、大気や水に触れても腐食しにくいなど金属素材として優れた性質を有しており、建築工事や建設現場でも建材として幅広い有用性を持っています。ここでは建材利用における銅の特徴やロールフォーミングを解説します。
銅(カッパー:copper)は金属元素の1つであり、元素記号は「Cu」として表記される金属です。
銅は導電性や熱伝導性に優れ、加工しやすく、酸化による腐食を起こしにくいといった様々な性質を持っており、銅板や銅管として建材に利用されることはもちろん、例えば電気工事の銅線として利用されたり、身近な活用例では日本円の十円玉の素材としても使用されたりしています。
銅(カッパー)には様々な特性や特徴があり、人類の生活や文明の発展に欠かすことのできない金属元素の1つということができるでしょう。
まず、銅は電気や熱の伝導性に優れていることが重要です。加えて貴金属としての魅力も備えており、独特の金属光沢を持つ上、経年変化によって独特な緑青色が生まれることも特徴です。
柔らかいため加工性に優れている一方、大気中や水中で腐食しにくく、長い期間にわたって建材などとして利用することができます。また銅は抗菌性も備えており、例えばコロナ禍では銅を活用した製品が衛生管理を目的として利用されることもありました。
なお、銅について「ブロンズ」と呼称されることもありますが、これは銅合金の1種である「青銅」を意味しており、純粋な銅元素(純銅)はカッパーとなります。
上述したように銅を素材として利用する場合、純銅であるカッパーと、銅にスズやリンなどを配合した銅合金やブロンズ(青銅)がそれぞれ使い分けられることもポイントです。
純粋な銅と、青銅や銅合金には特徴に違いがあり、さらに銅合金は配合する金属の種類や量によって一層の特性を獲得できる点も見逃せません。
そのため、例えば給水管や排水管へ銅を使用する場合は耐食性を向上させた銅を使用し、強度や硬度を必要とする建材には青銅を使用し、また内装に銅としての美しさを反映させたい場合は純銅を使用するといったことが可能です。
上述したように、建材として銅や銅合金を使用する際は、まずどのような環境や目的に合わせて銅・銅合金を使いたいのか考えなければなりません。
そしてニーズに合わせて適切な素材特性を獲得した銅・銅合金は、建材として多種多様な場面で活用されます。
銅を使った建材の1つが屋根材です。建物の屋根は直射日光や風雨にさらされるため、屋根材として利用される素材は耐食性や耐久性、耐候性に優れていることが前提となります。また、屋根の形状や規模に合わせて加工しやすいことも重要です。
銅板は屋根材として複数のメリットを備えており、事実、歴史的な伝統建築物の屋根に銅板が利用されているケースは少なくありません。加えて銅は独特な光沢や経年変化を楽しめる素材でもあり、屋根に高級感も与えます。
屋根だけでなく、外壁や外装にも銅板や銅材は幅広く利用されています。
銅は合金として配合する元素を調整することで、色味や風合いをコントロールしやすいだけでなく、酸化によって劣化しにくいため、海沿いのエリアなど潮風によって影響されやすい土地の建物にも適していることが利点です。
銅を使った外壁や外装は、伝統建築物からモダンスタイルの建築物までニーズやシーンに合わせた使い分けをできます。
銅の建材利用として代表的なものの1つが雨樋です。耐久性や耐食性に優れた銅は雨樋や排水管などに適性が高く、さらに経年変化で得られる風合いは伝統建築物に相応しい外観を獲得することもできます。
また銅は抗菌性に優れている素材であり、銅を使用することで水場の雑菌の繁殖抑制にも寄与するといったメリットもあります。
雨樋や排水管の他にも、給水管や給水設備に銅を利用することも珍しくありません。
加工性に優れながら耐久性や耐食性も備えており、抗菌性も備えている銅は飲用水や生活用水の安全性を維持する上でも有効です。
オリンピックでも金メダル・銀メダル・銅メダルといった使われ方をしているように、銅は宝飾品や装飾品の素材としても使用されており、建築物の内装材や細部の装飾のために使用されることも少なくありません。
銅や銅合金の光沢や風合いは空間の高級感を演出する上、経年変化による風合いは建築物の使用状況によって個性的な特徴を獲得します。また、ドアノブや取っ手に抗菌性に優れた銅を用いることで、健康管理や衛生環境に配慮できる実用性も見逃せません。
建築工事として電気工事や配線工事をする際にも銅は広く利用されます。
求めるのは柔軟性?
知名度?複雑断面?
信頼できるロールフォーミング
加工会社を厳選
建材として銅板や銅パネル、銅管などを利用する場合、その製造にロールフォーミング加工を利用することもあるでしょう。
加工性に優れた銅はロールフォーミングにも適性があり使われやすい一方、銅ならではの特性からロールフォーミング加工における注意点もあります。
銅は柔らかい金属であり、ロールフォーミングではロールと銅板が接触した際に傷が付きやすいというデメリットもあります。そのため銅板のロールフォーミングでは表面保護や傷防止のために、潤滑剤を使って摩擦や衝撃を軽減しなければなりません。
一方、加工後の研磨やめっきといった後処理も想定しておきます。
銅は柔らかく加工しやすいものの、過度に圧力や負荷をかければ変形したり損耗したりするリスクが高まります。そのためロールフォーミング加工では適切なロール設計を行い、目的に応じた成果物を追求することが重要です。
またスプリングバックに対する考慮も必須です。
銅は大気中の酸素などによる腐食はしにくいものの、酸や塩素に弱く、酸性の潤滑剤を使用すると腐食してしまう可能性が高まります。またアルカリ性の潤滑剤を使用すると、銅とアルカリ成分が反応して変色することもあり、潤滑剤を使用する際にはその化学特性に配慮する必要があります。
銅は千度以上の融点を持つものの、熱を与えることで柔らかくなりやすい性質が特徴です。また熱伝導性に優れており、ロールフォーミング加工による温度上昇に注意しなければなりません。
加えて銅は加工硬化しやすいことも特徴であり、過剰な衝撃や負荷を与えないよう加工速度にも注意が必要です。
銅を使用する場合、そもそも目的の建材に対応した銅や銅合金を選択しなければなりません。銅は純銅や銅合金によって色々な特性を獲得するからこそ、使用時には目的と特性のマッチングが不可欠です。
銅は加工性、耐食性、導電性に優れる金属で、屋根材や外壁、配管、内装など建材として幅広く利用されます。純銅の美しい光沢や、強度を高めた銅合金(青銅)など、用途に応じて使い分けられるのが特徴です。
ロールフォーミングで加工する際は、素材が柔らかく傷つきやすいため、表面保護や潤滑剤の選定に注意が必要です。また、加工後に元の形に戻ろうとする「スプリングバック」を考慮した精密な設計が求められます。
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