PVCとは「ポリ塩化ビニル(Poly vinyl chloride)」の略称であり、通称「塩ビ」と呼ばれることも多い素材です。PVCは熱可塑性プラスチック素材の一種として色々な場面で利用されており、製造コストの安さや加工のしやすさから日常的にPVC製品を目にする機会は少なくありません。
反面、PVCの加工には押出成形や射出成形が一般的であり、PVC素材のロールフォーミング加工に対応している業者や、そのための独自技術を持っている業者は限られているのが実状です。
PVCは熱可塑性プラスチック素材であり、熱による影響を大きく受けやすいことがポイントです。そのためPVCに熱を加えながらロールフォーミングといった加工を行う際にも、適正な温度制御や温度管理を行わなければなりません。
PVCの温度制御においては加熱する際に注意するだけでなく、冷却時にも相応に慎重な作業が必要となります。
そもそも加熱によって柔らかくして変形性を高め、任意の形状で冷却して固体化するため、冷却がスムーズに行わなければ目的の形状に安定させることは困難です。
ロールフォーミング加工によって加熱して柔らかくしたPVCを成形する場合、目的の形状や性質に応じて圧力をかけながら変形させることが大切です。
PVCは金属と異なりスプリングバックが起こりにくいため、過剰に圧力をかけたり加工スピードを上げすぎたりすれば、不良発生のリスクが高まります。
そもそもPVCはロールフォーミング加工に適した素材でなく、射出成形や押出成形といった加工の素材に採用されることが一般的です。ただし、加工や形状の必要性からあえてPVC素材をロールフォーミングで加工する際には、条件に合わせて適切な素材の選定を行うことが不可欠です。
複合素材で外観モールとリテーナーを一体化
自動車部品の製造現場において、ステンレス素材とPVC素材をそれぞれ活用して、自動車のドア周りへ使用する外観モールとリテーナーを同時に加工した樹脂複合成形の事例です。ステンレスの表面に合わせてPVCが一体化しています。
PVCと複数の素材を合わせた一貫成形
PVCとステンレスを組み合わせて加工した樹脂複合成形の事例です。自動車のドアの内装部材として製造されており、ステンレスのベースにPVCによって成形された部分が一体化し、さらに植毛オンラインで全体の仕上がりが調節されています。
PVCとステンレスの特性を活かした建材
建材としてショーケースに使用される部品を、PVCとステンレスを併用した樹脂複合成形によって加工した事例です。ステンレスならではの意匠性と、PVCならではの作業性といった両素材のメリットが追及されています。
自動車ドアの外装部材を鉄とPVCで成形
樹脂複合成形の一環として、鉄とPVCを併用してドアの外装部材を加工した事例です。PVCを活用することで2色成形が可能となり、さらに金属素材の意匠性を活かすことで製品ニーズに適合した仕上がりになりました。
PVCを活用したデザイン性の高い金属化粧板
アルミ素材とPVCを活用したロールフォーミングにより、建材用のスパンドレル(金属化粧板)を製作した事例です。アルミベースにPVCのフィルムラミネートを重ねることで、木目調といったデザインを再現することに成功しています。
階段用の滑り止めにPVCを活用した事例
ステンレスをロールフォーミング成形して作成した金台に対して、複数のカラーバリエーションを有するPVC素材をビニールタイヤとしてカバーすることで幅広いデザインや環境に適合する階段用滑り止めが完成している事例です。
細かい寸法管理が必要なロールフォーミング加工。加工会社を選ぶには、技術力の高さと品質管理体制に注目することが大切です。そこで品質管理体制を外部審査によって証明された国際規格ISO9001を取得する加工会社の中から、発注したい製品ごとに特徴的な加工会社をご紹介します。
高強度が要求される
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例えばこんな部材建材、床根太材、
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