こちらの記事では、ロールフォーミング方式によって製造される「パイプ」と呼ばれる部品について解説しています。どのような部品なのか、またパイプのロールフォーミング方法である3つの方式についてまとめています。
さらに、ロールフォーミングによるパイプの製作事例についてもまとめました。
パイプとは一般的に「筒状」の管であり、素材としては金属や樹脂など用途や環境に応じて様々なものが利用され、そのサイズや形状にも複数のタイプが存在します。また工業分野や産業分野におけるパイプとは通常、液体や気体の通路として設置される用途が多く、断面形状も丸形や角形といったものが多くなります。具体的には通風口や水道管、あるいは電気ケーブルなどをまとめて通すために使用されることもあるでしょう。
同じく中が空洞の輸送経路としては「ホース」や「チューブ」も使用されますが、それらが屈曲性を有するのに対し、パイプは通常、それ自体は大きく変形しないことも特徴です。ただし、ジャバラ式の連結器具などを使用して可変性を備えたパイプなどが用いられる場合もあります。
ステンレスは、耐食性が非常に高く、錆びにくい特性を持つ合金素材です。主成分は鉄で、そこにクロムやニッケルを加えることで耐久性と美観を高めています。以下のような特徴があります。
鉄は、コストパフォーマンスに優れた素材で、多用途に使用されています。炭素含有量に応じて特性が変わり、柔軟性や硬さを調整できます。
パイプには、ステンレスや鉄以外にもさまざまな金属が利用されています。
これらの素材は、それぞれの特性を生かして、環境や用途に応じて適切に選択されます。
パイプのロールフォーミングは下記の3つの方法があります。
「エクストロールフォーミング方式」は、成形ロールそのものは駆動せずに、油圧シリンダーの推力を用いて押し出す方式です。スタンドに装着されたロール孔形内に素管を押し込み、押し抜くことによって成形を行います。
また「ドローベンチ方式」は、成形ロールが駆動しない点はエクストロールフォーミング方式と同様ですが、ドローベンチ方式の場合は、ドローベンチ(引き抜き機)を用いてパイプを引き抜き、成形を行う方式です。
「ロールフォーミング方式」は、各スタンドに組み付けた成形ロールのシャフトが駆動する中で、パイプを移動させながら成形していく方式です。この方式は、複雑断面を持つ長尺製品を大量かつ効率的に製造する際に向いている方式となっています。
このように、パイプのロールフォーミング方法には3つの方法がありますが、どの方式が使用されるかは用途や鋼種、寸法、形状などさまざまな点を考慮して決定されます。
素材となる金属板に、ローラーで圧力を加えて目的の形状に成形ロールフォーミング加工は、パイプの量産において適合性のある加工方法と言うことが可能です。
ロールフォーミングによってパイプを製造する場合、基本的には金属板が使用され、それを筒状に変形させて1本のパイプとして整えることになります。そのため射出成形や押出成形と異なり、ロールフォーミング加工単体では筒が完全に閉じておらず、完全な密閉性を確保できない場合があります。
一方、ロールフォーミングは均一の品質でパイプを量産できる上、オートメーション化による生産性向上によりコストパフォーマンスを高められることがメリットです。また長尺のパイプや特徴的な形状のパイプなどもローラーの設定によって調整しやすい点は見逃せません。
ロールフォーミングによるパイプ製造(造管加工)は、生産性が高く均一な品質を得られる一方で、素材として利用できる板厚に限界があり、極端な厚肉・薄肉パイプには適していません。
また、ただ丸めるだけでなく、後工程での溶接や二次加工を前提とした高度な品質管理が求められます。ここでは、パイプ成形において特に注意すべき技術的なポイントを解説します。
金属には、力を加えて変形させられた後に元の形状に戻ろうとする力(スプリングバック)があります。特にステンレス鋼や高張力鋼板(ハイテン材)など、強度が高い素材ほどこの戻り量が大きくなります。
パイプ成形においてスプリングバックが大きいと、真円度の低下や、後工程での溶接不良を引き起こす原因となります。
対策として、あらかじめスプリングバック量を見込んで深めに曲げる「オーバーベンド」の金型設計や、素材ごとの物性に応じた緻密な加工条件の設定が不可欠です。
平らな金属板から筒状に丸めていく過程で、急激な曲げ加工を行うと材料に無理な応力がかかり、表面のシワや割れ、ねじれが発生します。
これらの成形不良を防ぎ、安定したパイプを製造するためには、材料の特性に合わせて徐々に曲げていく「フラワーパターン(断面変形推移図)」を正しく設計する必要があります。
対策として、素材の延性や肉厚に応じた適正なパス数(ロールスタンドの段数)を確保し、各工程での負荷を分散させることが重要です。
ロールフォーミング単体では筒が完全に閉じた密閉パイプにはならないため、流体を通すパイプ等には、端面同士を接合する高周波溶接やTIG溶接が行われます。
この際、溶接による熱変形への配慮や、溶接部に発生する「ビード(盛り上がり)」の処理が課題となります。
対策には、成形時のエッジ(突き合わせ部)の精度を極限まで高めると同時に、内外面に発生したビードを切削・圧延できれいに除去する専用の加工技術が求められます。
丸パイプだけでなく角パイプを製造する場合、成形中にコーナー部分(角)に最も強い負荷と応力が集中します。
特に、丸いパイプを後から角形に潰す「丸角成形」や、最初から角形に曲げる「直接成形」のいずれにおいても、材料の限界を超えるとコーナー部に「割れ」や「座屈(折れ曲がり)」が発生します。
対応策として、材料の延性に応じた適切なコーナーR(曲げ半径)を選定し、ロールの接触圧力を最適化する高度な調整が必要です。
求めるのは柔軟性?
知名度?複雑断面?
信頼できるロールフォーミング
加工会社を厳選
2022年5月2日に文化シヤッター株式会社から出願された技術です。建物の開口部の開閉動作を支える部分について、十分な防火構造を実現しつつ材料コストを削減し、さらに組立時の作業も容易にできるようロールフォーミング加工を活用したパイプを用いています。
技術の要として、開閉装置の吊元構造に使用するパイプの構造と製造工程が挙げられており、ロールフォーミングによって板材の両端縁を接合して中空パイプを成形し、さらに両端縁の重ね方などに工夫が加えられています。
参考元:特許情報プラットフォーム「特開2023-165235:文化シヤッター株式会社」(https://www.j-platpat.inpit.go.jp/p0200)
1996年1月25日に株式会社ユニマックから出願された、金属製の角パイプの製造装置に関する実用新案登録です。
溶接部が幅方向の中央にない金属製角パイプの製造工程を簡易化するため、帯状の金属板をロールフォーミング加工によって円筒状(丸パイプ)に成形し、さらに両側の側端縁同士を溶接、その後に改めて丸パイプを角形に整えることで、連続的に金属角パイプを製造することに成功しました。なお、成形工程と溶接工程の間に金属丸パイプをひねる装置も配置されています。
参考元:特許情報プラットフォーム「実登3027186:株式会社ユニマック」(https://www.j-platpat.inpit.go.jp/p0200)
2002年1月31日に積水ハウス株式会社より出願された技術であり、金属角パイプをロールフォーミング加工で量産する際に、成形不良品を安価に自動検知するための装置です。
検知精度を高めつつ、コスト削減を叶えるために構造や取付調整が工夫されました。
参考元:特許情報プラットフォーム「特開2002-224755:積水ハウス株式会社」(https://www.j-platpat.inpit.go.jp/p0200)

ロールフォーミングの加工事例
鉄パイプの連続造管を行った事例です。同社では、大径かつ薄肉サイズのパイプを製造可能。また、さまざまな外径サイズに対応が可能な点、長尺の場合2,500〜6,100mmまで対応が可能といったように自由な長さに対応できる点も特徴です。
パイプは液体や気体を運ぶ筒状の部品で、ステンレスや鉄など多様な金属を素材とします。主な製造法であるロールフォーミングは、金属板をローラーで連続的に曲げて成形する技術です。長尺製品の大量生産に優れる一方、厚肉パイプの製造は難しく、加工後に金属が元に戻ろうとする「スプリングバック」を計算した精密な設計が不可欠です。
細かい寸法管理が必要なロールフォーミング加工。加工会社を選ぶには、技術力の高さと品質管理体制に注目することが大切です。そこで品質管理体制を外部審査によって証明された国際規格ISO9001を取得する加工会社の中から、発注したい製品ごとに特徴的な加工会社をご紹介します。
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